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プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年 アン・ウォームズリー

ジャーナリストでトロントの女性読書会のメンバーである著者、アン・ウィームズリーは、同じ読書会のメンバー、キャロルから刑務所読書会のボランティアをしないかと持ちかけられる。
アンは強盗の被害に遭ったトラウマから固辞するが、結局コリンズ・ベイ中警備刑務所の読書会に本を選ぶボランティアとして参加する。さらにコリンズ・ベイから軽警備のビーバークリーク刑務所に移されたメンバー二人が立ち上げた読書会にも参加する。
読書会の熱心なメンバーに個人的に面会し、読書会メンバーに日記帳を渡し日記を付けてもらい、その内容を本書に記載した。


Amazonの『プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』のページ

刑務所の読書会=(刑務所という通常では知り得ない生活)×(日常に会うことはあまりない人々)×(自分にとって大きな楽しみの一つである読書)×(人が選んだ本を読んで、その感想を人々と共有する会)。
そりゃ、面白いだろうね。読む動機は十分。

読んで間もなく、気づく。実は読書会に参加する受刑者たちと自分とは他にも共通している点があるのではないだろうかと。
私たちは何かしかに囚われているというような記載。刑務所収監者は言うまでもない。著者は、過去に強盗に襲われて首を絞められ意識を失った経験からの恐怖。
私は、私で自分の生活の囚われ感を意識する。常に飼い犬をひとりすることがないように、犬と一緒に行けない場所には行かない。主人が家にいるときに、図書館やスーパー、病院に行くぐらいだ。それは週に1度以下。犬のためばかりでもなくて、週末でもたいてい仕事に追われ、時間が捻出できず、犬の散歩以外の外出が月に1回程度のこともある。それは自らの意思でしていることだけど。
誰しも何かしかに囚われているのかもしれない。それが具現されているのが刑務所であるというだけで。
誰しもと思わされるのは、読書会参加の囚人たちの収監前からの環境とアンやキャロルの環境に大きな幅があり、この幅の中にたいがいの人々が入るのではと思わされるからだ。
アンはそのような考えが帰納的に浮かび上がるようにあえて私見を挟まずに事実を綴る。
アンが強盗に襲われたのは、ご主人の仕事の都合で住んでいたロンドン。ハムステッドで家の前にメルセデスを駐車したときだと言う。高級住宅街に高級車。
刑務所読書会支援の会の創設者キャロル・フィンレイは、コリンズ・ベイ刑務所のあるキングストンに近いアマースト島に別荘を持っている。パーティーを開いて運営資金を寄付で賄う。つまり、庶民には真似できないレベルの寄付ができる人々を何人も集められるコネを持っている。トロントの女性読書会がメンバーの家で行われた際の会場やもてなしに供されたお菓子などの描写からも、彼女たちが中級の上、あるいはそれ以上に属している人々だということがわかる。
一方、刑務所読書会のメンバーたちは、殺人、強盗、薬物・麻薬の密売や使用の罪で有罪になった人々。読書会での発言から考えても恵まれた生活を送っていた人々とは考えにくい。
ビーバークリーク刑務所で発足された読書会メンバーにはホワイトカラー犯罪で収監された元上場企業の創設者(つまり、日本で言うとホリエモンのような人だろう)や開業医をしていた服役者もいた。しかし、それがかえって、犯罪者とそうでない人々の境界があいまいなものであると示唆している。

また、読んですぐに感じた読書会の効果。人種や民族、宗教、過去に社会的に置かれていた立場など、刑務所内ではグループに別れており、別々のグループに属する人々が交わることがないが、読書会はそれをやすやすと超えてみせた。
そんなものを希求しているのが自分の一部にもあるという自覚。
自分とは地理的にも社会的にも異なる人々について読みながら、なぜか自分の中の扉が自然に開く。そんな読書になった。

読み終わって初めて気づく。アンは、自分の考えを読者に提示することによって読者がそれに囚われることがないように客観性を重視して書いていたのだということを。
それでいて、アンが意図することを読者に自ずから気づかせる。こういうポイントがいくつもあった。どこでどう仕向けられたのかがまったくわからない。これがいくつもの受賞歴のある報道ジャーナリストの手腕というものなのだろう。

最初に断り書きされているが、アンは本を書くことを前提にこの読書会にボランティアとして参加している。受刑者たちに日記帳を渡して、読書会では語られなかったことを読ませてもらうのも、個別に会うのも、言ってみればすべてネタのため。そう思いながら読んでいたので少ししらけた気持ちを抱えていた。
読んでいる最中は、そんなアンもキャロルには、刑務所読書会ないしはその支援の会を広めるためには役に立つコマだと考えているであろうと思え、キャロルは目的実行のアイディアと推進力が抜群ながら、押しの強いおばちゃんと感じていた。
アンは、ロンドンの強盗事件のことを蒸し返し過ぎだと思った。でも、謝辞を読むと、自分のことをもっと書くようにとか、イギリスの記述を増やすようにとかアドバイスする人たちがいたらしい。
読み終わってみるとキャロルの情熱と偉業に感心したし、アンのロンドンの強盗事件に関する記述も興味深かった。

カナダでは営利団体は前科のある者は理事になれないため、刑務所の読書会メンバーで出所したグレアムは刑務所読書会支援の会の理事になれないが、影響力のある会員にはなってくれたとあるのだが、この支援の会(Book Clubs for Inmates)ウェブサイトのページ(http://www.bookclubsforinmates.com/who-we-are-1/)にFormer book club memberとある理事がいる。この人が「グレアム」なんじゃないのかなあ。(登場人物の名前はキャロルを除いて仮名とあった)
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ヘタリア Axis Powers 日丸屋秀和

国家を擬人化した歴史コメディーマンガ
って…。

主人公はイタリア。
時は日独伊三国同盟の時代。axis powersは枢軸国の意。
ごついドイツに懐く、へたれのイタリア。

さらに時を遡っての歴史。他国とその他の国も含めて。

Webサイト「キタユメ。」発表分+描きおろし。Webサイト発表分はカラーだったんだろうなあ。白黒だと少々読みづらい。

なんとなーく歴史がわかった気になる。戦国鍋TVみたいだね。

ヘタリア Axis Powersヘタリア Axis Powers
(2008/03/28)
日丸屋 秀和

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自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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