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わたしたちが孤児だったころ カズオ・イシグロ

上海の租界で育ったイギリス人のクリストファー・バンクスは、ある日両親が続いて行方不明になり、一人イギリスに戻り、叔母に引き取られ、その後寄宿舎や大学の寮生活を送り成人する。
大学卒業後、探偵となって実績を上げてゆき、ついに父母の失踪問題を解決しようと上海に戻る。


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ミステリー風だと読んだけど、いやー私がミステリーと考えるものとはかなり違っていた。
日の名残りわたしを離さないで忘れられた巨人にも共通するイシグロ流の、ミステリー、スリルというのはあった。理知的な、探偵として実績を上げてきたという主人公が、父母を見つけられるかもしれないかという段になって、ぐだぐだになってしまうところ。イシグロ流だ。毎度切ない。

孤児院の生活を回顧する話かと思えば、さにあらず。このタイトルで、読者がイシグロが言わんとするところを考えさせられる。

ロンドン好きには、中心部の地名がちらほら出てきて、たまらない。
また、上海の元租界地区にも行ってみたくなる。
THEME:海外小説・翻訳本 | GENRE:小説・文学 |

わたしを離さないで カズオ・イシグロ

ミステリー?サスペンス?
介護人キャシーの少女時代の回想から始まる物語り。
親がいない子供達。ハリシャムの施設で
陥穽または呪詛:ハリシャム、ルース

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
(2008/08/22)
カズオ・イシグロ

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2011年7月に読んだようなのだけど、下書きのままになっていた。まあ、実際上の内容は下書きメモだね。
本作はミステリー、サスペンスというより、SFでしたね。サイエンス・ファンタジー。
最近、日本でドラマ化されていたよう(見てない)。
私がこれを読んだきっかけは、本作の映画化だった。

とにかくせつないお話しでしたね。
THEME:海外小説・翻訳本 | GENRE:小説・文学 |

忘れられた巨人 カズオ・イシグロ

アーサー王の時代(アーサー王が亡くなって何十年かした後)のイングランドを舞台にしたファンタジー。
ブリトン人の老夫婦、アクセルとベアトリスは、息子を訪ねて、数日の旅に出ることにした。


忘れられた巨人

巻末の解説に、イシグロは本書が「本質的にはラブストーリー」だと繰り返し述べているとあった。ある老夫婦の冒険と愛を描く普遍的な物語…

ファンタジーが苦手の私にも面白かった。ファンタジーは「道具立て」に過ぎない。しかし、その使い方が実に巧み。綻びがない。
ただし、もの悲しさが漂っているのは、私にとって歓迎できないこと。

立派な青年になって離れた村に住む息子に会いに旅に出るという話なのだが、二人は息子住む場所も息子の顔もあやふや。それでも息子は待っていると互いに言い合っている。息子から手紙が来たとかそういうことは一切なしに。その辺が、中世だとこんなもんかもなんて思わされて読んでしまう。
割とすぐに死の色を感じる。船頭と船頭に夫と一緒に乗せてもらわなかったお婆さんの話。入り江から島へ行くというのはあの世に行くということだろうと。

旅の仲間となるサクソン人の優れた騎士、アーサー王に仕えていて今なおその使命を果たそうとしている老騎士にあっと驚く秘められた目的を持っているとか、アクセルが忘れていた過去とか、意外な展開で飽きさせない。
びっくりしたのは、決闘のシーンまでもが、実に細かくリアルに描かれていること。その答えとなるものが解説にあった。映画マニアで洋画だけでなく日本のチャンバラ映画にも造詣が深いという。



アクセルがベアトリスを「お姫様」と呼んでいるのが気になり原書を見てみた。
"princess"だった。
アーサー王の時代のアクセルの職位と本作のベアトリスの気品に満ちた行動を考えると、ベアトリスが本当にどこぞのお姫様であったとしてもおかしくないように思われるが、そんなことは、「お姫様」という呼称以外にはまったく記述されていない。

原書のカバーデザインは物語の時代とファンタジー性を表しているし、個人的に、かなり惹かれる。


THEME:海外小説・翻訳本 | GENRE:小説・文学 | TAGS:

日の名残り カズオ・イシグロ

悲しい。
国として黄昏時とおぼしき1956年の英国の、人生の夕暮れにある執事が、一日の日暮れ時に、泣く。
それを(中国にGDPを抜かれ、韓国にも経済政策で後れをとり、)零落ぶりが次第に明らかになりつつある(ちょうど1956年の英国のような)日本の、人生の夕暮れに差し掛かりつつある私が、一年の暮れ時に読んだ。

主人公、執事のスティーブンスは、慇懃で控えめな言いながら、自らが、執事として品格を備えているという自負の根拠をモノローグで語る。そのエピソードとして、勤務していたダーリントン・ホールで大事な会合があった際、通常の人なら取り乱しかねない困難な状況にあったにもかかわらず、自分の感情を抑え、立派に職務をまつとうしたことを挙げている。すなわち、一つは、父が死の水際にあったときの晩さん会。さらにイギリスの首相ら、重要人物が密かにダーリントン・ホールで会合を行った晩、有能な女中頭(であり、ひそやかな恋情を抱いていた?)のミス・ケントンが、他の男のプロポーズを受けて屋敷を去ることになると聞かされたとき。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)日の名残り (ハヤカワepi文庫)
(2001/05)
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そういう価値観もわかるけど、自分は、そんな生き方をしたくない。また、そう読者が考えるように仕向けて描かれている。

滅私の精神で主人に仕え、結果、主人の国際政治での成功を影ながらサポートする。そこに至上の喜びを見いだす。いいじゃないか。
その偉大なる主人のダーリン卿が身罷った後、アメリカの金持ち・ファラディ様が、その貴族屋敷を手に入れ、評判の高い雇い人・スティーブンスも込みで所望した。彼自身を屋敷共々、remains of the day(時代の遺産(遺物))として、イギリスの大いなる歴史の一部として、幸せな結末を用意してあげれば、いいじゃないか。カズオ・イシグロは、いじわるだ。

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自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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