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お話はよく伺っております 能町みね子

お話はよく伺っております
とは
「かねてより(~さんの)お話~は、~(知人名)からよく伺っております」
ではなく
能町みね子氏が、人の話に聞き耳を立てているということ。カフェで、電車や公共交通機関の中で、街中のあらゆる場所で。


Amazonの『お話はよく伺っております』のページ

能町氏の洞察力(妄想)とイラストで話を盛り上げているものも多いが、素材だけでもう…というのも。

おばあちゃんと孫(5歳ぐらいの男の子)の会話。バスの中で。
「あら、まあちゃん、社会の窓が開いているじゃない」
社会の窓って何!?
「ここのことよ~」
うん、開いているね
「社会の窓が開いていたら、まあちゃんの大事なところが神様に持って行かれちゃうよ!」
大事なところってなに!?
「まあちゃんのおちんちんのことよぉ」
「うーん……。そんなに大事じゃないなあ……

逃北 つかれたときは北へ逃げます 能町みね子

第1章 この北に逃げたい衝動を、私は「逃北」と呼ぶ
第2章 「逃北以前」の旅は、真冬の青森だった
第3章 三陸海岸にて
第4章 逃北海岸、青森のトンガリ
第5章 三十歳・誕生日の北
第6章 観光地・夕張
第7章 三十一歳の誕生日は雪さえあればいい
第8章 逃北の極致、グリーンランド
第9章 突発的、最北端生活
第10章 帰北、北のお墓参り
第11章 逃北から敗北へ
[文庫版特別対談] 能町みね子×千葉雄大 [チームひとり旅] 結成!


Amazonの『逃北 つかれたときは北へ逃げます』のページ

キツいときこそ北に行きたくなるという能町さんが、あまり観光地には行かず、北の町で住んでいるかのように過ごす、その旅行記。

「つかれたときは北へ逃げます」に、そうだよ!と想った。旅行は北に行きたいというのはわかる。寒がりのくせに南国に行こうとは思わない。
北海道よりも青森を気に入ってしまうという感性も自分に近い。
そういう能町さんの思い込みと緩いイラスト。
自分が行ったところがある場所も、ない場所もそれぞれ楽しめた。

ここらで、私の能町みね子ブームのきっかけを。
シブ5時相撲部で知った能町さん。タモリ倶楽部でも見かけるようになっていた。地図会社に行った回のタモリ倶楽部で、学生(高校?中学?)時代、地図帳に掲載されていた全国の市町村の人口をすべて覚えたという。
それ全部覚えようってどういう脳構造、そしてどういう頭脳?と俄然興味を覚えた。
ネットで調べたところ、頭脳については茨城県No.1の進学校からおそらく日本一の大学をご卒業でした。
そしてエッセイとイラストなど書いているということがわかり、もうこれはぜひ読ませてもらおうと。それで、はまった。

お家賃ですけど 能町みね子

牛込(神楽坂)にある昭和な下宿風造りのアパート、作者は加寿子荘と呼ぶ。推定80歳の大家さんの加寿子さんが営んでいる。

風呂なしの部屋に22歳で男性として入居。性転換をすることにしたため、風呂なしの部屋には住み続けられなくなった(銭湯には入れなくなるから)。
いったん風呂付きアパートに移ったものの、加寿子荘の風呂付きの部屋に空きがあることを知り、戻って来た!


Amazonの『お家賃ですけど』のページ

戸籍上の性を偽ってパートOL、その仕事が終わった後にデザイン系の副業やペンネームを使った仕事をしながら過ごした期間、性適合手術を受けて帰って来て、さらに心臓の手術を受けた後、戻って来るまでの期間の話。

大好きな自分の空間でお気に入りの町で生活する様が描かれている。副業での他の町での生活も。OLの勤務先の話は『オカマだけどOLやってます。』のほうでということらしい。

間取りが描かれ、レトロ感を伝える写真が各章の始まりに挿入されている。表紙の写真も実際の部屋で撮影されたもののよう。


トロピカル性転換ツアー 能町みね子

タイのプーケットで男性から女性への性適合手術(SRS: Sex Reassignment Surgery)を受けた作者の体験エッセイ。手術内容の解説から始まる。


Amazonの『トロピカル性転換ツアー』のページ

オカマだけどOLなどやりながら、3年ぐらいでで手術費用を貯めたらしい。
えらい!だって20代前半のお金を使いたい盛りでパートOL、その他の収入はそんなに多くなかったと推測され、その上ひとり暮らしをしながら3年ぐらいでそんなにお金を貯めたなんて。
でも本作のポイントはそこじゃないね。

テレビや映画でも手術シーンを見れない私には、想像するだけでくらくらする。
でも、手術中は本人の意識はないのだから、そこの描写はないはずだし、何よりこの表紙の脱力具合と書名なら、気が滅入る内容のはずがない。性転換(性適合というらしいけど)手術のざっくりしたところに興味がある。何より、能町みね子さんについて知りたかった。…ということで読んだ。

内容はさらーーっとお気楽に読めたけど、かなり具体的で読んで想像すると「ぎゃーっ」ってなることも書いてある。そこを楽しくお気楽に読ませたのは筆力なんだろう。
それでいて、手術、入院生活、手術後のいろいろ、ダイレーション、性別の取扱い変更申立の承認(?)等、MtFの具体的な情報が含まれている。

大人恋愛塾 柴門ふみ

作者が当事者から聞いた数々の大人の恋バナをまとめたエッセイ集。


Amazonの『大人恋愛塾』のページ

小説新潮の連載を何度か読んでいた。無料だったKindleのこの方の漫画を読み、そういえば、最近掲載されていない。となれば、単行本が出ているだろうということで読むことにした。
奇妙な男女関係。そして、そのような理解しがたい行動を取る男女の心理が描かれ、う~ん深い。
自分はもう恋愛なんてめんどくさいことする気にはなれないけど、というか、だからこそ、人の話が面白い。
だめんず・うぉ~か~みたいな人の奇妙な恋バナが好きなんだな、私…と思った。

オカマだけどOLやってます。完全版 能町みね子

トロピカル性転換ツアーを読んでから読んだ。
でも、まず一番に読みたかったのはこれ。
だって、性別を偽って会社勤めって興味深すぎる。OLっていうからには、堅そうな会社の事務員ってことでしょ?
パートってことで、性別がわかる公的手続きなしで勤めていたらしい。

ばれないように気をつけていることとか、女ではない半生を過ごしていたために女なら当然知っていたり体験していることに新鮮な反応をしたりとか、面白かった。文体も内容もイラストもさらっとしていて好感が持てる。
ドキドキする話もあった。銭湯(男湯)でナンパ?みたいな話とか。
がさつな生活態度の女ということで、自分と共感することもあるしね。そう、女女していないところがいい。

私の能町ブームは続く。


先生と私 佐藤優

佐藤氏の生い立ちから、中三春休みの北海道までの一人旅、埼玉県立浦和高校の入学式の日までが綴られた回顧録。中学の進学塾での生活を核としている。


Amazonの『先生と私』のリンクへ


ここに出てくる「先生」は、佐藤氏が影響を受けた進学塾の先生たちを指している。また両親も含まれているだろう。

少年佐藤優は適切に相手の気持ちを慮りながら開いた心で人々に接し、接した人々は優から強い印象を得る。
進学塾でありながら、人間としての生き方、考え方を示され、優は強い興味を示す。他の生徒が試験で高得点を取るためだけの勉強がしたいと考えているものがほとんどであるのとは対照的に。そこで、優とそのような先生たちとの個人的な深いつきあいが始まる。
塾で教えられた学習法を身につけ、好成績を維持しているという点でも、優は先生に気に入られる。塾経営者とその先生との対立で、その先生が新しい進学塾を設立する際にスカウトされてしまうほどに。

このエッセイは、そのときに佐藤少年が思ったことについてそのまま描かれている。後でこう考えたというような注釈があえて加えられていない。そして、その場のずるいと佐藤氏が考える巧みな計算も率直に記されている。反感を感じる要素が除かれている。また、これがライブ感を生む。
これは、外務省在露日本国大使館勤務時代の(現在連載が続いている)プラハの憂鬱でも同様で、理解が難しい内容を含んでいても佐藤氏のエッセイを読みたいと考える、魅力の源泉がわかったように思った。

戦争は女の顔をしていない スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

こちらは、第二次世界大戦時の話。
銃後の女たちの話かと思ったが、実際兵隊として戦地に行っていた女も多い。
また、戦争で身内をなくした者の話ばかりでなく、捕虜になった夫の話など。捕虜で逃げ出して帰国すると逮捕されるという。拷問で軍事情報を漏らしたと捉えられるのだ。つまり、軍人は捕虜になる前に自決しなければいけなかったらしい。日本軍だけじゃなかったんだ、そういうの。それで妻も非国民扱い。それだけで、仕事にありつけなくなってしまうと言っている。
パルチザンの話も。ユダヤ人の話も。

アフガン帰還兵の証言」より文字が小さく、たぶん紙も薄い。情報が詰まっている。
インタビュイーは実名が多い。「アフガン帰還兵の証言」で作者が訴えられていると訳者が書いていたのは、このような記載のためだろうか。ただ、実名記載なので、「アフガン帰還兵の証言」より自分が体験した不道徳なことはあまり書かれていない。

「恋」についての記載は、せつなくなった。


「戦争は女の顔をしていない」のAmazonのページへ

アフガン帰還兵の証言―封印された真実 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ

ソ連の時代の「アフガン侵攻」と呼ばれる紛争に赴いた人々とその母親がモノローグで語る形式。

アフガン帰還兵の証言

アフガン帰還兵の証言―封印された真実

長さは異なるが、1つの話が10ページ以下。それぞれの体験と考えが記載されている。
母親の話では、子供は亡くなっている。
徴兵された若い兵士は四肢のいずれかがない。
将校は五体満足だったとしても、心が壊れていることを自覚している。
事務職、看護師、その他専門職で派遣された女たちは現地の兵士たちにセクハラにあっている。

この「戦争」について、語られる好ましくない経験は、戦闘だけではない。
出兵前に共産党員として徴兵を拒否した場合に起こることついて脅しをかけられる。
宿舎では、古参が、新人が持ってきた物を取り上げ、ひどいいじめをする。夜中に穴を掘らせてその穴に首から下を埋められ、一晩中小便を掛けられるって何だ?障害が残るほどの暴力を振われた者もいるという。それで新兵は復讐する。武器なら与えられている。

1つ1つの話は短く読みやすい。派遣前後の一人一人の生活や価値観が盛り込まれているので生きている/生きていたごく普通の人間だったということが分かる。自分とは違うかもしれないが、どこかで今も生きているのだろうというリアルティーがある。
そんな人々が深く心に傷を負っている。真実を語ることも許されず。「戦争は間違いだった」という世間の考えの中で。

ソ連軍のアフガンからの撤退後に政治体制は大きく変わった。ソ連が解体されたのだから。
だからと言って、ここに出てきた人々は心の平安を取り戻せただろうとは考えにくい。
エピローグに、帰還兵の母親の話として、ある日、何気ない顔で殺人を犯した帰還兵の話がある。

「戦争が終わるのは打ち合いが終わったときだ」とはもう言えません。



しかし、これはソ連やロシアの体制だけの問題ではない。
大半が戦争を体験した人間に共通すると思われることが書かれている。
私たちはここから戦争とは何であるかを学ぶべきという判断が、作者のノーベル賞受賞なのだと思う。

プラハの憂鬱 佐藤優

佐藤氏が、外務省の研修生時代、86年~87年に、ロンドン郊外の英国陸軍語学学校でロシア語研修受講時に、亡命チェコ人で古本屋を営むマストニーク氏出会った。


Amazon 『プラハの憂鬱』のページへ

佐藤氏のイギリスでのイギリス語学研修時代の話。時間軸で見ると、説明の導入部分を除き、「紳士協定」の中に収まる。「紳士協定」の中心となっている英語研修期間の直後になる。「紳士協定」の中心となっているロンドン郊外でのホームステイ&英語研修の後、佐藤氏が同志社大学大学院の神学部時代から続けている神学者フロマートカ(ロマドカ)の研究で、チェコの神学書を買い集めていた際に、ロンドンのマストニーク氏に出会う。

佐藤氏はマストニーク氏のチェコの話(講義と呼んでいる)、会話に惹かれ、マストニーク氏も佐藤氏の向学心に応えようと、それまで避けていた神学について学びつつ、佐藤氏に知識を授けていく。
人見知りだという自己評価の佐藤氏が、マストニーク氏など周囲の人間にとって忘れがたい関係を築いていく。陸軍語学学校でクラスメートになった英国海軍のトーリャ、ロシア語の先生などから、さまざまな話を引き出してくる。この内容が難しいが面白い。

佐藤氏は沖縄出身の母を持ち心の底に複合アイデンティティの問題があった自分が地政学的環境にあるチェコ人とチェコの神学と思想に無意識のうちに引き寄せられたと分析する。
そして外務省でチェコの専門家を希望しながらもロシア・スクールの配属となりロンドンに行き、複雑なアイデンティティを持つマストニーク氏やトーリャのガールフレンドでナバホ族(ネイティブアメリカン)等と交流したことは、神の引き合わせと感じている。

同時に私も本書に巡り会ったことについて神の引き合わせを感じる。
まず、マストニーク氏が営んでいた古書店Interpressは、私がロンドン滞在時のステイ先から徒歩で数分の場所だった。シェファーズブッシュ駅から徒歩なので、近そうだとは思ったものの、これほど近いとは。(そこも私のステイ先も、シェファーズブッシュ駅から10分ほどあり、シェファーズブッシュは最寄り駅ではない)
もう一つ、引き合わせと思えたこと。最近、複数のチェコ人と仕事でやりとりしている。チェコが本社の会社だから。しかもその会社はマストニーク氏の出身のモラビアの中心都市にある。
単純に楽しみのために手に取った本に、複数のチェコ人について、チェコ人の気質や考え方が書かれているというのは、偶然の一言にしてはできすぎている。
本書からチェコ、チェコ人について、もっと知りたくなった。
プロフィール
自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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読み散らかしています。
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