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天才 石原慎太郎

田中角栄の回想録の体の小説。子供の頃のエピソードに始まり、

そしてそのままもっと深く長い眠りに落ち込んでいったのだった。

で終わる。

本文はびっくりするほど短い32文字x16行=512文字詰め/ページが3ページから始まり200ページで終わる。
しかし、あとがきは「長い後書き」とあるとおり、長い。
さらに田中角栄・年譜、田中角栄が提案者となって成立した議員立法と続く。

慎太郎x角栄が面白くないはずがないと思ったが、個人的には期待したほどではなかった。


演説の内容は裏日本と呼ばれている日本海に面した雪国を表の日本にするために、三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばせば越後に雪は降らない…(後略)


土建屋の角栄らしいが、まあ「三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばせば越後に雪は降らない」はインパクトが強かった。

ロッキード事件はアメリカに嵌められた冤罪だとある。考えてみるとそれはそうなのかもしれないなと思った。ただし、国内で金にあかしていろいろ有罪になりそうなことはやっていそうな人ではある。

表紙の田中角栄の顔。現在の私より若そうにみえる。
角栄が総理大臣に就任した頃、私は子どもだった。子供心に怪しげで「まあその~」で中身のあることをやっているのか不明に感じたものだった。日中国交正常化というのも正しいことをやっているように見えなかった。
しかし、今は自分がその頃の角栄と同じ年頃になり、本書でそれなりに卓越した人だったのだと感じることができ、感慨深い。


Amazonの天才のページ

泣くなわが子よ グギ・ワ・ジオンゴ

ケニアの村に生まれたジョローゲは一家で唯一学校に進学し、優秀な成績を修めながら成長していく。時代はイギリス植民地下でナショナリズムが高揚しており、ジョローゲの一家もその波にのまれていく。


Amazonの『泣くなわが子よ』のページ

ノーベル文学賞の季節。
日本語で書く作家として今年も村上春樹が候補に挙がっていたが受賞することはなかった。
日本語話者の一人として「じゃあ、何でとれないの」ということを考える試みとして、別の候補者(とされている)の作品を読んでみることに。…ノーベル医学生理学賞発表の頃に読んだ。

小説・戯曲以外にも幅広い分野で夥しい数の評論書を発表してきたということ。これは英語で書かれたらしいのだが、その後、母語(ギグユ語)の作家に転身しているということ。

こういう活動の功労を称えるという意味を持つとしたら、ノーベル文学賞になるのだろう。過去の受賞を振り返ると、~初や活動の社会的意義を評価したものが多いように見て取れる。そう考えると、今回受賞に至らなかったが、ジオンゴの方が受賞に近い位置にいるように思えるし、日本人作家にはお鉢はなかなか回ってこないだろうなと単純に思える。

今年の受賞者となったボブ・ディラン。「連絡が取れない」ようにしている(?)って、受けるでも、辞退でもない新しい選択。
THEME:海外小説・翻訳本 | GENRE:小説・文学 |

不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる ヒロ前田、清涼院流水

TOEIC対策本の著者であるヒロ前田氏と小説家でありTOEIC高得点取得者の清涼院流水氏による小説。
TOEICの登場人物であるグプタが己を取り巻く世界に違和感を感じる。

グプタらが勤務するトビアス・アインシュタイン社 (Tobias Einstein Corporation)は、頭文字を取ってTOEICになる。

不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる
(2013/04/10)
ヒロ前田、清涼院流水 他

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「飛行機は、今日も遅れる」って、ああ、TOEICのリスニング問題に飛行機の遅れが、確かに出てくる。
この副題にTOEICを通算10回近くは受けている私は掴まれた。だってうける。
本文にもTOEICの出題やTOEICの運営に関することが目白押し。うける~~。

一つ一つ解説になっていて、TOEIC受験の手引き書のようになっている。

巻末に重要語彙リスト、さらに、アルクのサイトからダウンロードできる超ミニ模試問題文、音声、解答解説と著者2人による対談の音声付き。

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THEME:英語 | GENRE:学問・文化・芸術 | TAGS:

空海

真言宗の開祖、空海が、入定(即身成仏)の際。高野山で多くの弟子達に囲まれ、自らの生まれから、高野山開山を決意するまでを語るという形を取った小説。
以下、あらすじ。(ネタバラシ)

讃岐の瀬戸内海に面した多度郡(たどのこおり)の郡司の子として生まれ、童の頃より、四国の山中で山岳修行を重ねる。丹生(にう、水銀産出)の里の娘・光明と男女交合の妙適の境地を知る。

その後、叔父の阿刀大足(あとのおおたり)の引き立てがあり、都で桓武天皇の皇子伊予親王の学友として、親王の侍講を努める阿刀大足から儒学を学び、のちに大学に入学した。しかし儒学では、空海の哲学的問い「衆生の平安のための方法」の答えを見いだすことができず、都にいる間にいくつかの仏寺に通い、各経典を精読し、高僧などから、仏教を深く学ぶ。

修行僧として山岳を歩いていた際に、紀伊国の草深い山の中に伽藍を築くよう丹生都姫(にうつひめ)より夢のお告げを受ける。
吉野の南の丹生の里で蝦夷(えみし)出身の母礼(もれ)に出会い、母礼とともに水銀/金の運搬で東国、陸奥国の平泉を往復し、征夷大将軍坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)や蝦夷の英雄・阿弖流為(あてるい)とも知遇を得る。

最澄のために仕立てられた遣唐使節団に留学生として加わり、唐に渡った。長安の青龍寺で、唐三代の国師となっていた恵果阿闍梨に師事し、短期間で瑜伽密教(ゆがみっきょう)の最高奥義を究め、唯授一人の伝法灌頂を授かる。数多の経典、法具、曼荼羅とともに唐の先進技術を伝える技術書も携え、帰朝する。

帰国後、様々な形で、国政に関与したり、灌漑事業などの社会事業の監督を行ったりの多忙な日々を送りつつ、弟子を増やしていき、ついに夢のお告げを受けた高野山で弟子達の山岳修行の拠点となる金剛峯寺を開く。

空海空海
(2005/12)
三田 誠広

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摩訶不思議。
空海(俗名:佐伯真魚)の歩む道は、仏の導きとしか言いようのないスーパーナチュラルな力によって開かれる。苦もなく経典を読み、童の頃から山岳を歩き、食料として必要な獲物を仕留める力も持つ。長じて、都では、渡航せずして、唐語、梵語も身に付ける。人生の要所要所で、夢のお告げを受け、道を示される。
空海が出会った人々も会う前からお告げにより空海との出会いを楽しみに待ち受ける。お告げのなかった者たちも、空海の知識、才能、人間性の前に、空海が道を進むために道を開けたり、側面から後ろから、支えていく。
こう書くと、ちょっとばかばかしいような話だが、適度に解決が必要な問題が立ちふさがり、それが解決されて、さあ次へ…というワクワク感を覚えながら読み進んだ。

最初は奈良・平安時代の事情や日本古事、仏教関連の説明が多く、閉口したが、だんだん加速度的に面白くなっていった。
  • 最初の丹生の里での光明、金剛との交流と別れ
  • 坂上田村麻呂と阿弖流為との交流や、停戦の仲裁として働いた空海の件
などのいくつも泣かせる場面があった。電車の中でなかったら、嗚咽をあげて泣いていただろう。
  • 最澄の奈良仏教勢力との対立、遣唐使派遣決定の経緯
  • 空海が留学生(るがくしょう)として入唐した当時の密教の政治的立場と高僧たちの空海との対面
など、歴史的な巡り合わせや描写のドラマチックさが、心に響いた。

空海は、率直な求道者でありつつも、目的を果たすためには、ときに策も講じる。それが人間味を増し、親しみやすさを覚えると同時に、発想の面白さと才能を感じた。

青春小説として書いたと作者があとがきで語っている。そのとおり、空海が思春期を迎えた頃から、留学生として唐で瑜伽密教を学ぶところまでが、一番面白い。
ほんのりBL色もあり、腐女子としても大満足。

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ユダ〈下〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間

ユダ(下)
胡桃は、歌舞伎町に新たにオープンとなった店 ドルシネアに移った。豪華な内装で各店のNo.1ばかりを集めた店。
そこで若くして闇金グループの社長である大野に会う。大野には、何人もの女がいたが、胡桃は本気で惚れた。
束の間、幸せを味わうが、その大野は、海外逃亡の果てに逮捕された。
大野が出所するのを待ち、ドルシネアで何年か勤めたが、客とのいざこざから、店を辞めざるを得なくなった。
次に勤めた六本木ビゼで、胡桃は新たな恋人を得る。

その後のユダ
単行本刊行後、文庫版発行時の現在に繋がる立花胡桃の恋愛生活

解説
新堂冬樹
ユダ〈下〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 (幻冬舎文庫)ユダ〈下〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 (幻冬舎文庫)
(2010/11)
立花 胡桃

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下巻の後ろを見ると、

本書は著者の実体験に基に書かれたものですが、出版にあたり一部脚色が加えられています。…(後略)

とある。また解説で本作を小説の位置づけとしているので、このブログでのカテゴリも小説にした。
確かに多少の脚色は感じられる。しかし、ほとんどが事実の羅列であるように感じる。
数多の出来事を非常に簡潔に書き記している。それでも上下巻になったというのは、キャバ嬢としての立花胡桃の8年間が、いかに濃いものだったかということだろう。肉付けすれば、大河小説になりそうなエピソードの数々が、2冊に詰め込まれている。

下巻では、少し落ち着きを見せて、上巻ほど、破壊的ではない。恋も仕事も。そして冷静になった分、自分が仕事に、男に、買い物に、出口を求めていたことを自覚的に記述する。

自叙伝としても、小説としても、作品の完成度で考えれば、なんじゃこりゃの内容。ではあるけれど、まあ、ハッピーエンドでよかったよん。
THEME:小説 | GENRE:小説・文学 | TAGS:

ユダ〈上〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 立花胡桃

専門学校生の絵里香は、18歳。かわいくてFカップ。大宮でキャバクラ店長、新海にスカウトされ、その道に踏み込む。
高校生活の終わりに受けた初体験の相手からの心と体の傷から、男なんて信じない、復讐してやるのだと、客から金を引っ張るだけ引っ張る。さらにNo.1になるのだ、No.1を維持するのだという負けん気から。
思わせぶりに、通い詰めさせて、貯金を使い果たさせたら、けんもほろろ。またさらに消費者金融から借金させてまでお金を使わせる。
一方で、男なんて信じないと心に誓いながらも、サイテーの男たちにだまされ、修羅を経験する。
大宮から春日部、歌舞伎町、上野と転々虫の最初の数年間。源氏名も「瞳」で始まり、「胡桃」になった。

ユダ〈上〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 (幻冬舎文庫)ユダ〈上〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 (幻冬舎文庫)
(2010/11)
立花 胡桃

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立花胡桃の自叙伝?自伝的小説?らしい。
客の男をだましたり、ライバルのキャスター(キャバクラに勤める女の子のことをこう呼ぶらしい。TDLみたい…)と張り合ったりのやりとりの描写が、単純で、最初は、下品に感じ、うんざりした。
でも絵里香が強がりながらも、人との交流による安らぎを求める様子を読むと、途中から、幸せになってと見守るような気持ちに。

ウジ虫のようなダメンにばかりひっかかってしまう絵里香(瞳、胡桃)だけど、お金は貢いでいない。だまされて知らない間にかすめ取られていた70万を除けば。上巻の終わりの21歳の時点で、もう、がっちり何千万もの貯金をしている。

大宮、春日部、歌舞伎町、道坂下など、行ったことのある地名がずらりと並ぶ。リアルで、身近に感じる。

下巻でまともに幸せになってと願いつつ、上巻を読了。

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プロフィール
自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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