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インフルエンス 近藤史恵

戸塚友梨は物心がついたときには友達だった日野里子が祖父から児童虐待に遭っていることを知る。厳密には友梨はそれを知ったとき幼すぎでそのことを理解できなかったが、まず里子のことばから友梨の祖父がそれを推察し、何年か後に後に理解する。それをきっかけに友梨は里子と疎遠になっていくが、友梨は何もしなかった自分に罪悪感を抱いて生きていく。


Amazonの『インフルエンス』のページ

友梨は、自分を取り巻く環境に翻弄されて生きていく。だからといって、それを周囲のせいにはしない。周囲の大人を少しいやだと思うが、状況を分析してしかたがないものと捉えて。その場で最善と考えられることを判断して、結局受動的に生きていく。

それでも大学卒業後に家から出る道を選んで、それまで秘密にして抱えてきたものを振り払いリセットしようとする。ちょうど終盤で警察に出頭して犯罪の自白することで、逃げ回るよりやり直そうと考えたように。
家を出ても結局、2番目の禍根となる友達、坂崎真帆から連絡を受け、絡め取られるように新たな犯罪の渦の中に身を置くことになる。

真帆は友梨が真帆にしてくれたことから強烈な気持ちを抱いていたとあとにわかるが、真帆は友梨にひどいことを言っていること、友梨が真帆の指示どおりにことを行ったであろうと知り微笑んだことを考えると、結局真帆は自分を愛するために友梨を使ったのではないかと思えてならない。

平凡に生きられる気質を持っていた友梨が「インフルエンス」と名付けられた因果に巻き込まれる様子。3人の子ども→女が奏でる3拍子の短調。少女同士のプリミティブな思慕からのそうとはわからない産物。これが、本作の味わいどころだ。

事件は、誰がどのように行ったか書き込まれていても、どうしてそのようにしたのかは伏せられていた。それが明かされるときがクライマックスである。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵

奈良瑛子は、以前同じ会社に努めていた葛井円に再会した。円は瑛子の自宅のそばで、カフェ・ルーズというカフェを営業していたのだ。客を旅に出ている気分にさせるカフェ。円は、ほぼ毎月世界中に旅に出て旅先で出会ったおいしい料理やお菓子、飲み物をメニューに取り入れていた。
瑛子はカフェ・ルーズが気に入り、頻繁に通うようになる。

第一話 苺のスープ
第二話 ロシア風チーズケーキ
第三話 月はどこに消えた?
第四話 幾層にもなった心
第五話 おがくずのスイーツ
第六話 鴛鴦茶のように
第七話 ホイップクリームの決意
第八話 食いしん坊のコーヒー
第九話 思い出のバクラヴァ
最終話


Amazonの『ときどき旅に出るカフェ』のページ

第一話~第六話までは、瑛子の身の回りや店で起きた、ちょっとザワッとするような小さなミステリーを円または瑛子が看破していくという一話完結方式。
自宅のそばで気楽に行けてすてきな心地よいカフェで過ごす。このまま、ほわんほわんと続くのかと思いきや…。
第七話以降、カフェ・ルーズにライバル店登場というだけではない、円に何やらいわくがありげ。一話で完結しなくなり、「最終話」がそれまでのようなカフェメニューに掛けたタイトルがない。「最終話」とだけ記されたページを見ると、何とも不吉さを感じさせる演出。

語り手の瑛子は、控えめながらそつのない感じのいい女性だ。
好感の持てる人物だけに、心の中の描写として人を批判するときが刺さった。その批判が自分に当てはまるだろうと思えたから。カフェで大きな声で話していたり、人の悪口を言っていたりすることもあっただろう。
また、円も同様。外国のレストランにて日本語でその国を悪く言う。心当たり大アリ。
おっしゃることはごもっともだし、今後そのようなことのないようにとは思うけど、現実世界で自分が好きな瑛子や円のような人たちに内心そういうふうに思われていたんだろうなと思うとショックだよね。

瑛子のタイプは近藤氏の作品によくある若い男性の語り手とタイプが同じだ。内省的で周りをよく見ている。男性で世代も違うと、すてきな人物で流してしまうところだけど、同性となると、受け止め方が違うんだなあとも思った。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

マカロンはマカロン 近藤史恵

コウノトリが運ぶもの
青い果実のタルト
共犯のピエ・ド・コション
追憶のブーダン・ノワール
ムッシュ・パピヨンに伝言を
マカロンはマカロン
タルタルステーキの罠
ヴィンテージワインと友情



短編の人が死なないミステリー。ああ、コージーミステリーって言うんだっけ?とにかく、気楽に軽~く読めるのがいい。

おいしそうな料理やお菓子が出てくるけれど、当面フレンチを食べに行くことも作ることも買うこともないだろうという状況から、料理やお菓子の記述はすっ飛ばし気味に読んだ。(ちょうど、戦闘シーンをぶっ飛ばして読んでいるように)そこも味わいどころなのだろうけど。

軽いなりに一ひねりある。「ヴィンテージワインと友情」のひねり技はよかったな。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

土蛍 近藤史恵

短編、中編、4点。

むじな菊

いくら美しくたってほいほいと尻尾を振るわけにはいかない。
菊の花びらのように見えたものが、狢の毛並みかもしれないのだから。


だんまり
男が髷を切られるという事件が連続して起きていた。

土蛍
水木巴之丞がいる中村座の芝居小屋で訳者が首吊りをした。

はずれくじ
ついていない男が富くじを買うことになった。


Amazonの『土蛍』のページ

読みやすい。何冊か読んでいない推理小説がある状況で、翻訳物は日本語で読むとは言え、日本人作家の物よりも理解するのに多くの脳力が必要になる。今まで読みやすく面白いと感じた日本人作家のものさえ、うーん高校生の話か…なんて具合。推理小説を読みたいのだけど、なんだかおっくうな気分。
そんなときにおなじみの近藤史恵、猿若町捕物帳シリーズ。
最初は時代小説ということで、とっつきにくかったけど、それはまったくなくなったなあ。

最後の話「はずれくじ」が、つくづくさびしい話で、読後、寂寥感が残るというのは欠点かなあ。「だんまり」や「土蛍」は、「ああ、よかった」で終わるからいいんだけどね。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

寒椿ゆれる―猿若町捕物帳 近藤史恵

猪鍋
猪鍋で評判の繁盛店、乃の字屋に男が押し入った。男は乃の字屋の店主が自分の父親を殺したのだという。

清姫
安珍清姫の興業期間の最中に、人気歌舞伎役者で清姫役の水木巴之丞が若い娘に襲われた。

寒椿
大店の金貸しに強盗が入り、北町奉行所の同心、大石新三郎が手引きをしたと疑われているという。南町奉行所の同心、玉島千蔭は北町奉行所の与力、浅野に頼まれ、詮議することになった。


Amazonの『寒椿ゆれる―猿若町捕物帳』のページ

猪鍋で、千蔭に見合い話。千蔭はいわばアイドルで作者はずっと独身にするつもりだろうと思っていたのに、これは思い違いかという幕開け。3話通して、見合い相手のおろくが登場し、特に「寒椿」では大活躍。

その他、千蔭の小者の八十吉を始め、父親の千次郎、義母のお駒、巴之丞、利吉、花魁の梅が枝といったいつものメンバー登場。

長編より物足りないのではないかと思ったが、描写の視点がシンプルだし、なじみの人物メインで話が進むので理解しやすい。

それぞれ面白かったが、「寒椿」が特に良かった。それぞれが他者を思う/想う気持ちにきゅんとなった。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

にわか大根 近藤史恵

猿若町捕物帳シリーズの中編3本

吉原雀
吉原の遊女が相次いで病死した。

にわか大根
人気を博していた若女方の芝居がにわかにへたになった。

片陰
船芝居の役者が殺された。


Amazonの『にわか大根』のページ

やっぱりこのシリーズは千蔭がヒーローなんだなと今さら気づく。
ストイックで愛想もないし若干鈍感。でも、義侠心があり、困った人を見捨てはしないし、鋭い洞察力を持つ。
吉原の売れっ子花魁や猿若町の人気女方など愛され評価されているけど、それを真に受けないっていうところも魅力のひとつか。

この感じだと、千蔭はずっと独身のままなんでしょうね。エロ愛のエーベルバッハ少佐みたいに。作者自身を含めた女性ファンへの考慮で。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

シャルロットの憂鬱 近藤史恵

共働きの30代の夫婦、真澄と浩輔。23区内の一軒家に住み、日常生活には支障のない健康問題で警察犬を引退した4歳のジャーマンシェパード、シャルロットを飼うことにした。

シャルロットの憂鬱
シャルロットの友達
シャルロットとボーイフレンド
シャルロットと猫の集会
シャルロットと猛犬
シャルロットのお留守番


Amazonの『シャルロットの憂鬱』のページ

見かけと異なり、フレンドリーで若干臆病気味であるほどのおっとりしたシャルロット。良識ある社会生活を送る夫婦。生活の中で、ちょっとした事件が起きる。そして各話の最後には解決する。各話途中には緊張する出来事が起きるが、長く引きずる恐怖はなく楽しく読めるコージーミステリーだ。

土佐犬ミックス、小夏のエピソードが一番良かった。犬の賢さと人間への愛情を感じる展開だったから。

シャルロットが警察官を苦手とするということは、第1話、「シャルロットの憂鬱」で判明するが、その理由はなぞのまま。今後、明らかになるのかな。

キリ子シリーズが終わり、シャルロットシリーズが始まったと考えていいのかな。これは大いに歓迎できる。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

ほおずき地獄 近藤史恵

吉原で幽霊が出るとうわさになった。後には縮緬細工のほおずきが落ちているという。同心の玉島千蔭は調べ始める。そんな折、吉原の茶屋、叶屋の夫婦が殺された。


Amazonの『ほおずき地獄』のページ

吉原、座敷牢、白髪の夜鷹と何とも興味をそそられる素材。しかし、そうそうセクシーなお話しは展開しない。

登場人物は千蔭の父親、千次郎や小者の八十吉はもちろん、歌舞伎役者の水木巴之丞や狂言作者の利吉、吉原の花魁、梅が枝がまた出てきた。

二人も殺されて何だけど、ハッピーエンドの感触。よかった。犯人が意外だった。
THEME:小説 | GENRE:小説・文学 |

アネモネ探偵団3 ねらわれた実生女学院 近藤史恵

細川巴のクラスメートで巴と同じ剣道部員の山城五月の部活の様子が盗撮され、ゴシップ誌に「山城厚生労働大臣の娘は、アイドル並みの美少女」と見出しを打たれて写真が掲載された。
実生女学院では、生徒はグランドに出ることを禁止された。隣接している実生中学からの撮影が疑われ、実生中学の生徒は携帯やカメラを学校に持ってくることを禁止される。さらにカメラが趣味の桑江時生は盗撮者として疑われた。


『アネモネ探偵団3 ねらわれた実生女学院』Amazonのページへ

イラストは、いらなーいと思ったが、これが盗撮のトリックを解く鍵だったりするので重要だった。
桑江と中原は中高年婦人から見て好ましい描かれかたをしているので読んでいて楽しい。
一方、五月が巴の家に泊まることになるのも、主観的に楽しそうで良いなあと思う。
ハッピーエンドのシリーズ作なので安心して読める。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

モップの精は旅に出る 近藤史恵

第一話 深夜の歌姫
英会話学校の生徒が転落死した。

第二話 先生のお気に入り
金髪でハンサムな英会話学校の講師がお気に入りの生徒に対し、その講師のファンクラブの生徒たちがいやがらせを始めた。

第三話 重なり合う輪
糖尿病を煩っているシェアオフィスの仲間の一人が、倒れた。原因は、飲んでいたスポーツドリンクが糖を使っているものとすり替えられていたのを知らずに飲み続けていたことであるように思われた。誰がすり替えたのか。

第四話 ラストケース
キリコの姉が亡くなった。生前のある時期まではキリコと仲の良かったのが、距離を取るようになったまま、その距離を戻すことなく姉が亡くなったものだから、キリコは落ち込んだ。


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キリコのシリーズ最後の本。今までどおり、各話、キリコが活躍、それを他社が綴る形式。キリコがキリコ自身の問題を解決して幕を閉じる。

ちょっと寂しいけど、また別の主人公で近藤さんのお話を読めるなら、それでOK。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |
プロフィール
自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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読み散らかしています。
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