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キアズマ 近藤史恵

大学1年の帰国子女である岸田正樹は、断り難い理由もあり、誘われて自転車部に入部した。ロードレース、クリテリウム、ヒルクライム。それまでフランスにいたときにテレビでツール・ド・フランスを見たことがあった程度でほぼ何も知らない状態で始めたが、正樹には意外な才能があった。

【キアズマ [chiasma] 】
減数分裂の前期後半から中期にかけて、相同染色体が互いに接着する際の数か所の接着点のうち、染色体の交換が起こった部位。X字形を示す。(三省堂・大辞林)



キアズマキアズマ
(2013/04/22)
近藤 史恵

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小説新潮の連載で終わりの方を読んで面白いと思い、単行本を読むことにした。

大学生男子のスポーツ部の話なんて、おおよそ私が興味ある話じゃない。だけど、近藤史恵は、そんな偏見を払拭する。
大学生男子の話、これだけでもかなり苦手な分野。でも近藤氏の「砂漠の悪魔」も面白かった。
死や重篤な障害につながる事故。近藤氏の登場人物の男子たちは、まだ繊細な感性の残る年頃のうちに重い荷を背負っている。
それが面白さの裏打ちとなっている。

にしても、

桜並木は陰鬱だ。

という正樹のモノローグで本編が始まったのには、暗すぎだと感じた。
しかし、これも後々明かされる正樹の心の傷へと続く伏線となる。むやみに暗さがまき散らされているわけではない。

話はすぐに展開する。
正樹にとって最悪な櫻井元紀と自転車部との出会い。事故。そして自転車部の勧誘。スリリングであったかと思うとコミカルである。
そして「どんなことに関しても後ろ向きな方」と自らを評する正樹が、ロードバイクにのめり込む。
「大学に入っても、たぶん友達はほとんどできないだろう」と考えていたが、自転車部部員たちと交際する。とりわけ、短気でガラの悪い大阪弁で最悪の第一印象の櫻井元紀に興味を持つようになっていく正樹。上背にも恵まれ柔道経験者のがっちり型の正樹に対し、身長は普通だが細身で実はぜんそく持ちの櫻井。その櫻井は柄は悪いが人懐こい。と、BL的要素で二人の距離にも興味がわく。

そんな中、何度かレースが行われる。その描写。

スタートの合図とともに、集団はのっそりと動き始めた。
…(中略)…
このスタートの時だけは、鈍重な大きな獣のようだ、といつも思う。
俺はその獣の動きに身をゆだねる。


そして順位争いのスリル。
何度目かのレースが終わり、本書の終わりとなったところで、久々に強い爽快感を味わっていた。
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