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わたしの神様 小島慶子

テレビ局勤務の女たちが、周囲との軋轢にストレスを感じながらも、それぞれ自分が正しいと信じる道を進み十分に評価されたいと望む
「女子アナ」という役回りを完璧に演じる、人気No.1の局アナ、仁和まなみ
対して「女子アナ」という呼称を嫌い、ジャーナリストとしての矜恃と使命に満ちた佐野アリサ
報道で実力を発揮しながらも成功すると美人故に陰口をたたかれてしまうニュースキャスターの立波望美
花形職業に就く、それぞれの女たちは正面を切ってあるいは陰に軽蔑し合う。また、嫉妬する。家族も含め、回りの女たちともせめぎ合うように対立する。男たちのえげつない欲望に巻き込まれながら。


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女の敵は女
そんなことばが頭に浮かんでくる。
登場人物の女はすべて意地悪な見方で描かれている。男も同様だが。唯一トランスジェンダーとゲイの登場人物のみが、その辛辣な描写から逃れているが、ほぼ脇役だ。

義父から性的虐待に遭いながらも、それを勝利だと信じているという歪み。
見た目が地味だが、アナウンサーという人から認められる職業で、結婚し出産することによって、自分を勝ち組と信じる女。
女たちのすさまじい描かれように、読んでいて気分が沈んだ。

小島さんが女子アナとして入社した90年代じゃあるまいし、イマドキ、それはないのではと(そんなことがなくてほしい)は思うのだが、その分析力を小説にまとめ、表現している力には脱帽。
人から愛される容姿を持ち、愛される振る舞いを知っているまなみは、自分を売女であるとたとえ、自分の回りのテレビ関係者をただの女衒ととらえる。そして自分が売女である限り自分は、そんな男たちの主であると。そして続く、

私の主は誰だろう。神様の顔はいつも見えない。


私には、ブスの気持ちがわからない。

で始まる冒頭。
そして、最後から2行目が、

私には、ブスの気持ちがわからない。ブスにも私の気持ちはわからないだろう。

「ブス」を「他人」に当てはめればいいのだと、途中の内容から気づかされる。
人が自分を信じようとして、それを他人から評価を受けることで確認しようとして、でもその願望が100%満たされることはない現実。

さらに、母親からの否定という女にとっての大きな呪縛。

テレビ局関係者という自分とは縁のない人々が描かれながらも、人間として共通する認識が取り上げられていることに気づかされる。怖いがすごい小説だった。
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自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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