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アフガン帰還兵の証言―封印された真実 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ

ソ連の時代の「アフガン侵攻」と呼ばれる紛争に赴いた人々とその母親がモノローグで語る形式。

アフガン帰還兵の証言

アフガン帰還兵の証言―封印された真実

長さは異なるが、1つの話が10ページ以下。それぞれの体験と考えが記載されている。
母親の話では、子供は亡くなっている。
徴兵された若い兵士は四肢のいずれかがない。
将校は五体満足だったとしても、心が壊れていることを自覚している。
事務職、看護師、その他専門職で派遣された女たちは現地の兵士たちにセクハラにあっている。

この「戦争」について、語られる好ましくない経験は、戦闘だけではない。
出兵前に共産党員として徴兵を拒否した場合に起こることついて脅しをかけられる。
宿舎では、古参が、新人が持ってきた物を取り上げ、ひどいいじめをする。夜中に穴を掘らせてその穴に首から下を埋められ、一晩中小便を掛けられるって何だ?障害が残るほどの暴力を振われた者もいるという。それで新兵は復讐する。武器なら与えられている。

1つ1つの話は短く読みやすい。派遣前後の一人一人の生活や価値観が盛り込まれているので生きている/生きていたごく普通の人間だったということが分かる。自分とは違うかもしれないが、どこかで今も生きているのだろうというリアルティーがある。
そんな人々が深く心に傷を負っている。真実を語ることも許されず。「戦争は間違いだった」という世間の考えの中で。

ソ連軍のアフガンからの撤退後に政治体制は大きく変わった。ソ連が解体されたのだから。
だからと言って、ここに出てきた人々は心の平安を取り戻せただろうとは考えにくい。
エピローグに、帰還兵の母親の話として、ある日、何気ない顔で殺人を犯した帰還兵の話がある。

「戦争が終わるのは打ち合いが終わったときだ」とはもう言えません。



しかし、これはソ連やロシアの体制だけの問題ではない。
大半が戦争を体験した人間に共通すると思われることが書かれている。
私たちはここから戦争とは何であるかを学ぶべきという判断が、作者のノーベル賞受賞なのだと思う。

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