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ナイルパーチの女子会 柚木麻子

志村栄利子、国内最大手の商社に勤めている。30歳になる今も実家から通い、身綺麗さを保ち責任ある仕事をこなす。
そんな栄利子がはまっているのが、脱力主婦ブログ。専業主婦だが、食生活も家事も相当いい加減。なのに清潔感や節度があり、栄利子を惹きつけている。栄利子とおない歳の丸尾翔子が書いていた。
そんな二人が偶然出会って、最初は意気投合したが、すぐに噛み合わなくなり、それぞれがストレスを大きな感じ、生活に大きな変化が生じてしまう。


ナイルパーチの女子会


社会性の悩みというテーマが現代日本の女子を使って表現されている。

ナイルパーチは食品事業営業部に属する栄利子が担当することになった魚。ビクトリア湖(だったかな?)に放したところ、すさまじい食欲と強さで、生態系を破壊したという。
これが美人でお嬢様で仕事のできる栄利子を象徴している。

タイプは大きく異なるが30歳のすてきな二人が出会って、恐ろしいことに。ミステリー並みの怖さ。
それは、構成、表現力にある。

泳ぎたいな、と思った。

の冒頭から栄利子の潜在意識にある対人問題、特に同世代女性の友人がいないことの不安が描かれている。そして後半で友人を得た栄利子は人の入っていない温泉で泳ぐ。ナイルパーチのように。
また早朝のオフィスを人の気配がない屋内プールによく似ているという感性。それだけで私は共感したのだが、その理由が挙げられて、早朝のオフィスという場所の経験がない人にも納得させられる説明になっている。

二人それぞれの性格の一部に共感するところがある。追い詰めるような考え方で行動してしまう栄利子と、自分が苦手なことは手を抜く翔子。
特に栄利子。人の言ったことはすべて真に受けてしまう。ナイルパーチのように知らぬうちに周囲の魚を食べ尽くし孤独な生活を送っているという。
若く身綺麗なお嬢様エリートという冒頭にはあこがれに近い気持ちで読んでいたのが、栄利子がバランスを崩し始めた頃から、ああ、同じだと。それでも自分はこんなに極端な行動は取らないよと高をくくっていたけれど、昔を思い返すとタイプは異なれど、似たようなことをしていたように思える。そう大昔の記憶。
栄利子が高校生の時に起きた事件については、なぜ栄利子に問題があったとされているのかがわからないほど。いや、確かに問題はあったけど、栄利子は悪くはなかったと思う。たぶん私もその年頃に同じ境遇になれば同じ行動を取ったはずだ。それほど、栄利子はある部分で自分に似ている。

だから栄利子の行動はリアリティーがあると思ったが、処世のためには嘘を軽々ついて、ひょうひょうと生きてきた翔子が、途中から変わるのは解せない。怠惰な以外、自分とは違う性格だからわからないのであって、翔子のような性格の人にはもしかしたら、そうなるのもうなずけるってなるのかもしれない。
小説新潮で山本周五郎賞選考委員も途中からの翔子の豹変に説得力がないとか確かそんなことを言っていたような。その人も栄利子寄りの性格なのかもしれない。

また国内最大手の商社にタイムカード…というのは解せない。あと女子の中で人気の真織が裏を返すと元ヤン的なこわい性格とか、人物の設定が各人にフィットしているように思えない(ご都合主義的に思える)部分もある。そういうリアリティーを損なっているように思える部分がちょこちょこ気にはなった。

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