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忘れられた巨人 カズオ・イシグロ

アーサー王の時代(アーサー王が亡くなって何十年かした後)のイングランドを舞台にしたファンタジー。
ブリトン人の老夫婦、アクセルとベアトリスは、息子を訪ねて、数日の旅に出ることにした。


忘れられた巨人

巻末の解説に、イシグロは本書が「本質的にはラブストーリー」だと繰り返し述べているとあった。ある老夫婦の冒険と愛を描く普遍的な物語…

ファンタジーが苦手の私にも面白かった。ファンタジーは「道具立て」に過ぎない。しかし、その使い方が実に巧み。綻びがない。
ただし、もの悲しさが漂っているのは、私にとって歓迎できないこと。

立派な青年になって離れた村に住む息子に会いに旅に出るという話なのだが、二人は息子住む場所も息子の顔もあやふや。それでも息子は待っていると互いに言い合っている。息子から手紙が来たとかそういうことは一切なしに。その辺が、中世だとこんなもんかもなんて思わされて読んでしまう。
割とすぐに死の色を感じる。船頭と船頭に夫と一緒に乗せてもらわなかったお婆さんの話。入り江から島へ行くというのはあの世に行くということだろうと。

旅の仲間となるサクソン人の優れた騎士、アーサー王に仕えていて今なおその使命を果たそうとしている老騎士にあっと驚く秘められた目的を持っているとか、アクセルが忘れていた過去とか、意外な展開で飽きさせない。
びっくりしたのは、決闘のシーンまでもが、実に細かくリアルに描かれていること。その答えとなるものが解説にあった。映画マニアで洋画だけでなく日本のチャンバラ映画にも造詣が深いという。



アクセルがベアトリスを「お姫様」と呼んでいるのが気になり原書を見てみた。
"princess"だった。
アーサー王の時代のアクセルの職位と本作のベアトリスの気品に満ちた行動を考えると、ベアトリスが本当にどこぞのお姫様であったとしてもおかしくないように思われるが、そんなことは、「お姫様」という呼称以外にはまったく記述されていない。

原書のカバーデザインは物語の時代とファンタジー性を表しているし、個人的に、かなり惹かれる。


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自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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