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流 東山彰良

ミステリー×青春小説。
主人公は台北の高校生、葉秋生。祖父、葉尊鱗が殺された。おじいちゃんの死の第一発見となり、鮮烈な記憶が残る。犯人はまったく不明なまま、秋生は高校生活、幼なじみとのつきあい、大学受験、初恋など目まぐるしい日常と折り合っていかなければならないが、犯人を見つけ出したいという思いが消えることはなかった。

――――プロローグ
第一章 偉大なる総統と祖父の死
第二章 高校を退学になる
第三章 お狐様のこと
第四章 火の鳥に乗って幽霊と遭遇する
第五章 彼女なりのメッセージ
第六章 美しい歌
第七章 受験の失敗と初恋について
第八章 十九歳的厄災
第九章 ダンスはうまく踊れない
第十章 軍魂舞台での二年間
第十一章 激しい失意
第十二章 恋も二度目なら
第十三章 風に乗っても入れるけれど、牛が引っぱってもでられない場所
第十四章 大陸の土の下から
――――エピローグ


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ダイナミック。秋生は高校の中の問題児からふっかけられるけんか、やくざに半ゲソ付けた幼なじみの救出など真に荒々しい場面があり、それを格好良く切り抜ける。一方で、ゴキブリの出現に母親や祖母に助けを求めたり、軍官学校も入学後半年で音を上げたりするという意気地なしでもある。そんな数々のエピソードがぎっしり詰まっており、葉秋生像、葉一家ら外省人/中国人のメンタリティーと価値観も、二十世紀終わり近くの何年間かの台北も鮮やかに描かれている。可笑しかったり、もの悲しかったり、常に感情を動かされながら読んだ。

また巧みで緻密だ。うねるような怒濤の流れと細部の描写と。
日本軍の間諜だった中国人が王克強で中国語読みがワンコオチャン。まさに、日本のイヌだとか。
祖父が殺されたことにも驚きの真実があるが、さらにその殺人に奥行きがある。切なさと感動のうちに、それが明かされる。

これが翻訳ではなく日本語で読めるとは、本当にラッキーだ。
お気に入りのミステリー作家を読み尽くしてしまい、これから、何を読めばいいのだと思っていたところに、神様がくれた贈り物。これを読んで、そう思った。おそらく、これからしばらくは、私の読書は東山が中心なるだろう。


直木賞受賞作だった。
http://hon.bunshun.jp/articles/-/3927
たとえる意味はないかもしれないけど、東山彰良は日本のカズオ・イシグロだ。私たちはカズオ・イシグロを翻訳せずに日本語で読むというチャンスには恵まれなかったが、東山彰良を日本語で翻訳せずに読める幸運に恵まれた。
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THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

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自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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